有限会社 宮下石材店
住所:長野県飯田市下中村2165-1
電話:0265-25-3188
信州で最も南に位置する飯田市は、飯田藩の城下町として栄え伝統芸能や伝統工芸を現在にまで伝え、信州の小京都と称されるほど趣のある街であります。宮下石材店へ向かう途中にも、祝い事に華を添える水引の工芸館が建ち並び、日本で生産される水引の約7割が、飯田市で生産されているそうです。
伝統工芸の息づく街並みに根をおろして実に260年。宮下石材店は南アルプスを背にして、硬い石と向き合い卓越した石工(いしく)を現在につたえる、飯田市でも最も古い石材店です。と、紹介いたしますと「職人気質の親方さん?」を想像されるかもしれませんね。
この伝統ある宮下石材店を背負って立つ7代目社長は、甘いマスクに物腰の柔らかい応対に親近感さえ覚え、この世知辛い世の中にあっては珍しいほどの好青年といったところでしょうか。
創業以来「迅速・丁寧」をモットーに、自社工場を構え加工・製作はもちろんのこと、海外からも原石を直輸入しお客様からのさまざまなご要望にもお応えできるように、常々心がけているとのこと。取材中も工場からは、フォークリフトがうなりをあげて原石を運び、大きなカッターで石を切断する音が絶え間なく聞こえてきます。
その活気と社長の優しさに、時間がたつのを忘れてついつい長話に。別れ際、握手を交わすその掌の厚さに、ひた向きに石と向かい合い続ける、意志の強さに触れて飯田路を後にしました。